さて感想を。
都会より遅れての公開だったが、心待ちにしていた一本だったのでシアター鑑賞でき無上の喜び♪
ウェスタン映画は子供の頃TVで沢山観ているが、白人が先住民をやっつけるパターンが嫌いだった。
勿論、好きな作品も多い。『シェーン』や『大いなる西部』など(クラシック映画にお詳しい方は既に
お気づきでございましょう。そう!男前が主演で先住民をいじめないウェスタンが風森のツボ♪)。
前述の趣向の影響で、先住民と闘うジョン・ウェインはあまり観ておらず(観ても心に残っていない)、
『トゥルー・グリット』は物語自体今回が初めての鑑賞だった。
昨年の『クレイジー・ハート』に引き続き、飲んだくれ親父キャラのジェフ・ブリッジスであったが、
今回の飲んだくれは良い!めちゃめちゃ漢である!
飲むけどやる時はやる、つまりアルコール依存症でなく単なる酒好きなおっさんなのね♪
(『クレイジー・ハート』の親父は、アルコール依存症だった↓orz)
主役の酒好きオヤジ、気が強くて口が達者な小娘、伊達男なテキサス・レインジャー。
ジェニファー·コネリーマルホランド·フォールズビデオ
主なキャラクター3人が立ってて、物語もテンポ良く進みつつも感情の機微も織り込まれており、
脚本が上手いんだな〜と感服。
ちなみに、コーエン兄弟は旧作を観たのが子供の頃で記憶に無く、全く影響を受けていないとのこと。
そして、原作に忠実であるとのこと。
コンビが、文句なく面白いと思う。
大の男さえ口で言い負かすような勝気な女の子って、
おそらく若い男性から見ると可愛気が無いだけだろう けど、お爺さんになってる世代から見ると何だか面白 いのではないだろうか?大人の余裕かな?
老保安官よりずっと若いテキサス・レインジャーの
ラ・ビーフは、あまりにも生意気なマティにキレて
「大人の言う事を聞きなさい!」と、お尻をぶつ。
どう見ても大人の対応でなく、同レベルのケンカです。
保安官コグバーンも当初は子供扱いしてたが、
「この娘っ子は、なかなかやりおるわい」という目線に
変わっていく。ブリッジスの芝居が良い。
ニコールは、どのくらいの重量を量るん。
対等な感覚で会話する老人と少女の図がユニークで
微笑ましい。
子役とおっさんでなく、俳優としての共演になってる。
コメディの要素もあり、父を殺された少女の健気さも感じ取れる人情物であり、ウェスタンのアクション
ありの傑作だと思った。感動のあまり、これは旧作も絶対に観てみなくては!と猛烈に感じて、
帰途TSUTAYAに駆け込みDVDレンタル。記憶がはっきり残った状態で観比べたのだった。
←こちらが旧作『トゥルー・グリット』
1969年 128分
監督/ヘンリー・ハサウェイ
脚本/マーガリット・ロバーツ
撮影/ルシアン・バラード
編集/ウォーレン・ロウ
音楽/エルマー・バーンスタイン
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DVD鑑賞中、BGMがやたらと『荒野の七人』ぽい!
と思ったら、なるほど同じ方が音楽担当でした。
前記のキャスト比較でお気づきかも知れない。
ロバート・デュヴァルやデニス・ホッパーの若き日も
見られて「おお♪」てな気分にもなれた。
昔の映画を観る時の面白さだな〜♪
かんしゃくとtiarias
コーエンは自作を原作に忠実と言っていた。
なるほど全く同じシーン、台詞が随所に登場する。
旧作も結構忠実に作っていたのだと分かった。
同日に同じ原作の新旧作を鑑賞したのは初めてで、我ながら面白い試みだった。
が、こういう気分になったのはジェフ・ブリッジス版が本当に素晴らしかったから、号泣系の感動ではないけれど、観終わって深く心に余韻が残る様な秀作だったからだ。
この新旧作品は、同じキャラクター、シーン、台詞で構成されているのに、面白いほどカラーが異なる。
ジョン・ウェイン版は光り輝く太陽の色。ジェフ・ブリッジス版は冬の空の色。
40年という歳月による、ハリウッド映画の変遷を実感した。
季節の設定が一番の理由なんだけど、原作にラストまで忠実だったという新作は雪が似合う物語。旧作は大スター・ジョン・ウェインの為の作品だった(念願のオスカー受賞とのこと)のに対し、
新作でジェフ・ブリッジスは、原作者ポーティスが描いた老保安官に成り切っていたと感じた。
映画を観終わった時には泣かなかったが、思い出しながら文章を起こしていく中に目頭が熱くなる。
(コーエン兄弟曰く、どちらの目にアイパッチを付けるかブリッジスが決めた。
grit とは「勇気、気概」という意味。劇中の台詞で「トゥルー・グリット」は「真の勇者」と表現された。
老保安官が見せた真の勇気が、少女の後の人生をどれだけ支えたか、想像してまた泣きたくなった。
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